#1 はじめの一歩は、やっぱりここ!@寿福寺

GOKOTI YUIGAHAMAのオーナーをしております、佐藤(夫)です。
本日もGOKOTIのサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は鎌倉の参道といえばここ!とオススメしたい「寿福寺」さんの魅力をお伝えします。

 


▲寿福寺入り口。観光の方はなかなか足を踏み入れない扇ケ谷エリア。実はオススメです

▲ゴロー店長も大好きなお散歩コース。心なしか笑顔ですね


長さは、正義?

みなさん突然ですが、バージンロードというものを歩いたことはありますでしょうか?

実は僕、参道好きと言っておきながら大学はミッション系。その大学には築100年以上の大きなチャペルがありまして、卒業生はそこで結婚式が挙げられるということで今から10数年前にその特典にあずかりました。
さらにその後、結婚情報誌の広告を作る仕事をしていたこともあって何十本ものバージンロードを歩きまくってきました。(数え方が“本”かどうかは分かりません)

このバージンロード、ウェディング広告的には「長ければ長いほど良い!」というずいぶん雑な時代がありまして、広告文のキャッチコピーに『バージンロード●メートル!主人公気分をたっぷり味わって♡』なんてさんざん書いたものです。
今となってはずいぶん軽薄な表現だなぁ、、って思うじゃないですか? ところがです、この寿福寺さんの参道の入り口に立つと「いや、やっぱり長さ大事!」という気がしてくるから不思議です。

 


陽の光が木々に遮られ、木漏れ日に照らされる石畳がスーっと伸びる寿福寺参道


小京都、、とはよく言ったもので京都のそれに比べると鎌倉の寺社仏閣は規模が小さいものが多いです。それは海ぎわの狭い土地や山間部に建てられるためで、自然と参道も短くなるのですが、この寿福寺の参道は長さ・幅ともに申し分なくなんとも贅沢に設計されています。

それもそのはず。この土地はもともと源頼朝の父である源義朝の旧邸があった源氏にとっても由緒正しい土地で、頼朝が没した西暦1200年に北条政子(頼朝の妻。というよりパワフルパートナー)が、頼朝の弔いのために明庵栄西という高僧をわざわざ呼んで建立したお寺なのです。
ちなみにこの寿福寺、亀谷山寿福金剛禅寺(きこくさん じゅふくきんごうぜんじ)といって、鎌倉五山第三位の寺院です。鎌倉五山についてはまたおいおい詳しく…。

どうでしょう?こう聞くと「いや、日本史はあんまり…」という方でもなんとなく凄いお寺だとわかって頂けるのではないでしょうか? その凄さにふさわしい風格をこの立派な参道が演出しているのです。

本堂(伽藍)に続く石畳。木々のざわめきを聴きながらひとつ歩を進めるたびに心が整っていきます。長い参道だからこそ、そんな自分の心の変化までゆったりと感じることができるのではないでしょうか? うむ、やはり長さも大事ですね!


 ゴロー店長も心地よい静寂にうっとり。たまにここで寝てしまいます…


参道が育む、小さく深遠な日本の自然美。

僕が参道に魅せられる理由のひとつが、自然美です。自然美といってもただ緑や花々が美しい… ということではなく、日本のもつ大自然の営みがミニチュアとして凝縮されていて、その美しさを身近に感じることができるからです。


参道の脇を覆う苔をじっと眺めると、深い森の上を飛ぶ鳥になったような気分に


国土の3分の2を覆う深い森と清らかな水源。そんな世界に誇る豊かな自然に抱く日本人の畏敬の念が、この寿福寺の参道には表現されているように感じます。

参道の脇をしっとりと覆う美しい苔。それは上から見ていると白神山地や知床の原生林のようであり、しゃがんでじっと見つめていると熊野古道の森の中に踏み入ったかのような景色が広がっています。


▲参道横を流れる水の音が不思議と心を落ち着かせてくれます


寿福寺の参道を歩くと、かすかな水音が歩を追って聞こえてきます。本堂にむかって小さな水路がひかれていて、お参りをしながらも森の中を流れる沢の音を感じることができるのです。

そんな日本の自然美をギュっと凝縮した美しい参道を楽しむ秘訣は、とにかくゆっくり歩くことです。スピードが早いと見逃してしまうことって多いですよね。いつもよりずっとゆっくり歩いて、せっかくの長い参道を楽しんでください。


禅宗様式の本堂がゴール♪


▲本堂の入り口となる奥門が参拝者を迎えてくれます


さて、参道の先に立つ禅宗様式の本堂が見えてきたら本日の参道散歩は終了です。
ゴローさんもお疲れ様でした!
ここで忘れちゃいけないのが、真摯な気持ちでのお参りと、振り返って歩いてきた参道を振り返ることです。美しい参道ほど逆から見たときにまた違った造形美が設計されているのですが、寿福寺もそのひとつ。未来から過去を覗き込むような不思議な感覚を楽しむことができます。




今日はここまで。
次回は佐助稲荷さんの参道にでも行きましょうかね。

佐藤岳彦 Sato Takehiko
東京に生まれ育ち、20代で湘南移住、30歳を前に鎌倉へ。リクルートメディアコミュニケーションズにて広告制作、ソリューション開発に携わった後、独立。現在は、ウェディングやホテルを中心に企業やサービスのブランディングを手がける。江戸時代からつづく陶器の産地・笠間にルーツをもち、器に目がない。趣味のサーフィンと、柴犬を愛でる時間が至福のとき。

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