GOKOTI アイテムストーリー #4 | 草花のさりげない美しさを身にまとう。 贈る気持ちも高まる、オリジナルBOXつきジュエリー by atelier mozu

GOKOTI アイテムストーリー  #4  | 草花のさりげない美しさを身にまとう。 贈る気持ちも高まる、オリジナルBOXつきジュエリー  by atelier mozu
GOKOTIで取り扱っている表情豊かなアイテムたち、それぞれのモノづくりの背景にある物語をご紹介するコーナーです。日常の彩りに、ギフト選びのお供に、素敵な出会いがありますように。

今回は、GOKOTIのリニューアルで新しく加わった『atelier mozu(アトリエモズ)』さんのご紹介です。自然をモチーフにした繊細なジュエリーをデザインされている秋田さんに、ジュエリー制作のこだわりや、年齢を問わずお客さまを惹きつける魅力の秘密を伺ってきました。(聴き手:ライター 二木薫)

好きなものを自由に作って、シンプルに暮らしていきたい


▲繊細な造形美が目を惹く『atelier mozu』のジュエリー。鎌倉GOKOTI店舗でも年齢層を問わず人気が高い


ーー秋田さんがジュエリーデザイナーになったきっかけについて教えていただけますか?

昔から、手を動かしてものを作ることが大好きでした。いつかは「好きなものを作り、それを売るというシンプルな暮らしがしたい」と考えていたんです。30代半ばまで会社員だったのですが、2011年にジュエリーデザイナーとして『atelier mozu(アトリエモズ)』を立ち上げました。

『atelier mozu』というブランド名の由来はすごく感覚的なんですが、「2文字の鳥の名前で濁音を使いたい」と思ってつけました。「モズ」というゴロが良くて締まる音の響きが気に入っています。


ーーもの作りの中でも、なぜジュエリーというジャンルを選んだのでしょうか?

ジュエリーを作ることは、自分でも想定外でした。最初は、革細工を制作していたんです。金具やボタンを自分で作ってみたくて彫金を体験したら、すっかりはまってしまって。なんでもない板や棒が、叩いたり、切ったりすることでどんどん生まれ変わっていく。その過程がとても面白いし、表現も自由なところに惹かれました。

僕は結構凝り性なので、メンズのものを作るとなると、永遠に終わりが見えなくなってしまうんです。人が気にしないような部分も、「こうあるべき」「自分だったらああしたい、こうしたい」と、こだわり続けてしまうところがある。でも、自分が身につけないものだと、わからないが故に違う目線というか、自由な気持ちで作れるところも良かった。
可愛くなりすぎないデザインも、逆にオリジナリティが出ていいかな、と思っています。


▲お話を伺った『atelier mozu』の秋田さん。「好きなスポットは由比ヶ浜や七里ヶ浜。実は、趣味のサーフィンを初めて楽しんだのが鎌倉の海でした」という鎌倉にまつわるご縁も


デザインと強度のバランスで生みだす、絶妙な繊細さ

ーー思わず惹きつけられる繊細なデザインの『atelier mozu』のジュエリー。どのようにして作られているのか、プロセスを教えていただけますか?

原型を元に鋳造で複製した後、研磨やロウ付けをして仕上げます。さらに、細かいテクスチャーを入れたり石留めをしたりして、ひとつの作品を完成させていきます。

原型のモチーフを作る時は、なるべく身のまわりのものを自分の目で観察します。だから、野草や親しみのある植物が多いのかもしれません。散歩したり、時には花屋に行ったりして、実物を手にして触って......。僕は絵を描くのも好きなので、写真は撮らず、自分でスケッチするんです。


ーーモチーフは、秋田さんのスケッチをもとにデザインされているのですね!

ただ、スケッチを後から見ることはあまり無いです。漢字の勉強に似ているかもしれません。「描いて覚える」というか......。主にアウトラインを中心に、サッと描く。スケッチしたその感触が失くならないうちに、原型を作っていくようにしています。

 


▲とある庭先の花のスケッチ。花びらの大きさやラインを眺めて描きおこす。写実的な記録というより、感覚をメモしているそう


鋳造されたものを仕上げる工程では、落ち着いた、マットな質感にすることが多いですね。これはシルバーでしかできない風合い。透明感のある白っぽい感じ、涼しげな感じが、個人的にも好きなんです。
ツヤを出すと光りますよね、そうすると主張が強くなる。モチーフが大きな花でもマットな質感だとうるさくならないので、さりげなく使ってもらえると思います。

 


▲マットな質感が美しいアネモネの花とフープのイヤーカフ。重なり合う花びらに、キュービックジルコニアのアクセントがきらり。商品詳細はこちら

 

ーーマットな質感が、可愛らしさの中にも落ち着いた印象を受ける理由かもしれませんね。他にも、制作の際に大切にしているポイントはありますか?

植物のモチーフが多いのですが、平面にならないように、必ず立体としてデザインするように意識しています。例えば花だったら、動きをつけて、裏のガクの部分まで表現。見せ方も、花が傾いていたり、ガクや茎の部分まで見えるようにしたり。なるべく、植物の持つ自然な枝ぶり、曲線をそのまま活かせるように制作しています。

 


▲耳もとにスッと挿したような四つ葉のクローバーのピアス。葉脈まで細やかに表現されている。商品詳細はこちら

 


ーー立体や曲線を形にしていく際、苦心される部分もあるのでは......?

やはり、強度ですね。植物って繊細なところがいいのですが、その繊細さのままにデザインすると、身につけて使うには強度が足りない。厚ぼったくならないように、でも壊れないように、スレスレのところで何とかバランスを取っています。あと、ジュエリーが洋服に引っかかったり、日常の中で危ないことがないように、気を配っています。

デザインでこだわっている部分と強度とのバランスがうまく取れると、「いいものができたな」と思えますね。


幸せや自信につながる「お守り」としてのジュエリー

ーーGOKOTI は、大切な誰かのため、自分のために贈りものを選ぶギフトショップなのですが、贈りものにまつわるエピソードがあれば教えてください。

僕のジュエリーは、ブライダルをはじめ、実際に3割くらいの方が贈りものとして購入されています。最近ですと、「これから告白します」と言って、クローバーのピアスを買った男性がいましたね。生まれてくる娘が20歳になった時にプレゼントする為に、名前まつわるモチーフのリングのオーダーを検討されるお客さまもいます。
ジュエリーの仕事を長くやっていると、幸せなエピソードに触れることができるのも醍醐味ですね。

『atelier mozu』では、ジュエリーをオリジナルBOXに入れてお渡ししています。結構人気があって、BOXを気に入って買ってくれた人もいるんじゃないかな。ジュエリーってそもそも、誰かに贈ることが多いですよね。「贈る側にも特別感を」と思い、ジュエリーに付随するものにもこだわりました。


▲大好評のオリジナルBOX。ボタニカル柄の美しいイラストは、グラフィックデザイナーであるパートナーが制作してくれたそう

 

ーー美しいBOXつき、贈るのも、もらうのも嬉しいですね。大切にしたいジュエリー、ぜひお手入れのコツも教えていただけると嬉しいです!

シルバージュエリーは、使い終わったら油分を落として、密封して保管することが基本。ただ、僕の作品は、マットで細かい柄が入っているためクロスで磨いたりできないんです。液体のシルバークリーナーを使っていただくと、数秒でくすみが取れますので、簡単でおすすめです。
黒ずんでしまって家の片隅に眠っている、という状態が作り手としてはいちばん悲しい。そこはしっかり対応していきます。もし手に負えないようでしたら、いつでもクリーニングを受けつけますよ。


ーー最後に、秋田さんにとってジュエリーとはどんな存在なのでしょうか?

やっぱり、「お守り」のようなもの。肌に触れる、洋服よりはもう少し近い存在だと思うんです。身につけていることで自信が出る、そんな存在であれたら嬉しいですね。

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atelier mozu アトリエモズ

異業種から転身、独学でジュエリー製作を学ぶ。2010年東京の小さなアトリエで自らのブランド 『atelier mozu』をスタート。
従来の技法にこだわらず、様々なアプローチでジュエリー作りを続けている
instagram : @ateliermozu


取材・文 

二木薫 Niki Kaori
東京にてエンタメ企業・メディア系企業に従事した後、2014年鎌倉へ移住。丁寧な暮らしに憧れつつ、片手にはたいてい甘いものかお酒。基本ぐうたらしていたい四十路フリーランスライター。工藝、フード、IT、地方創生...ジャンルに関わらず、なにかを“つくる人”の取材をしています。Instagram:@kaorilittle

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